福田淳とは?

福田淳さんは、旧ジャニーズ事務所に所属していたタレントのマネジメント・育成業務を行うSTARTO ENTERTAINMENTの代表取締役CEOであり、株式会社スピーディの代表も務める実業家です。


これまでソニーデジタルエンタテインメントの社長や、女優・のんさんのエージェントを歴任し、エンタメ業界で20年以上にわたって実績を重ねてきました。

現在は、コンプライアンス強化やCCO設置、内部通報制度など、STARTO ENTERTAINMENTにて具体的な組織改革を推進。

タレントの選択の自由を尊重するハイブリッド型マネジメントを導入し、自由で公正な活動環境づくりを目指しています。


旧来の業界体質を変えるリーダーとして各方面から注目されている人物です。


プロフィール

  • 本名:福田 淳(ふくだ あつし)
  • 生年月日:1965年7月26日
  • 出身地:大阪府高槻市
  • 最終学歴:日本大学 芸術学部 卒業
  • 略歴:映像制作会社・東北新社でキャリアをスタートし、その後ソニーピクチャーズエンタテインメントでバイスプレジデントを歴任。2007年にはソニーデジタルエンタテインメントサービスを設立し、代表取締役社長に就任しました。女優「のん」(旧・能年玲奈)のエージェントとしても活動し、2017年には株式会社スピーディの創業を始めとした複数の事業を展開しています。2023年10月より、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)の代表取締役CEOに就任しました。
  • その他の活動:Speedy Gallery(米国ロサンゼルス)運営や、出版・農業・リゾート開発・スタートアップ投資など幅広い分野で実業家として活躍。また、大学の客員教授やNPO活動など、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。


著書

福田淳さんは、これまでに多数の書籍を執筆しており、ビジネス観・人間観・社会に対する視点をユニークな言葉で表現してきました。

福田淳さんの著書からは、彼がどのような信念をもって活動しているのかが垣間見えます。

  • 『町の声はウソ』(2006年10月)
  • 『これでいいのだ14歳。天才バカボン公認副読本 バカボンパパに学ぶ14歳からの生き方哲学100』(2008年10月)
  • 『SNSで儲けようと思ってないですよね? 世の中を動かすSNSのバズり方』(2017年12月)
  • 『ストリート系都市2022』(2022年8月)
  • 『好きな人が、好きなことは、好きになる』(2024年4月)

最新作『好きな人が、好きなことは、好きになる』では、自身の人生観や働き方のヒントが随所に散りばめられており、STARTO ENTERTAINMENT社長就任後のメッセージとしても注目を集めています。


人物像

福田淳さんは、連続起業家としての行動力と好奇心を武器に、多彩な事業を展開してきた実業家です。エンタメ業界の常識にとらわれず、異業種の視点を取り入れた独自のブランディング戦略が特徴です。


経営では「タレントファースト」の姿勢を貫き、現場との対話を重視。社員やタレントとの丁寧なコミュニケーションを通じて、組織課題の解決に取り組んでいます。

推しグッズの“うちわ”に感動し、「ポスターよりもアイドルを身近に感じられる」と語るなど、ファン文化にも理解を示す柔軟な感性も持ち合わせています。


また、メディアと芸能事務所の関係性に問題意識を持ち、業界の慣習に一石を投じる発信を続けてきました。コンプライアンス体制の整備や意思決定の透明化など、改革への強い信念がうかがえます。


さらに、福田淳さんはマスコミ関係者が多い家庭に育ち、幼少期から自然とエンタメに関心を持っていたことも、現在の活動に影響を与えていると考えられます。

福田淳の生い立ち

大阪府高槻市に生まれた福田淳さんは、中高一貫の名門校・高槻中学校・高等学校に進学しました。

将来は医師を目指していたものの、在学中に放送部の部長を務めた経験や幼少期から抱いていたメディア・映像制作への関心が高まり、進路を転換します。


家族はマスコミ関係者が多く、祖父は元テレビ朝日副社長の福田薫さん。父や兄もメディア業界に携わるという家庭環境の中で育ち、自然とエンタメの世界への関心を深めていきました。

高校卒業後は、日本大学芸術学部へ進学。大学では演劇活動に打ち込み、興行を黒字化させた経験を通じてマーケティングの才能にも目覚めます。


大学卒業後は、映像業界への憧れから東北新社に入社。入社当初はCMのプロダクションマネージャーとして勤務し、撮影現場の進行管理や制作調整などに従事していました。

その後、2年目には新設された衛星放送部門に配属。当時の植村伴次郎社長とともにカンヌ・ミラノ・ハリウッドなど、世界各国でのビジネスに携わるなど、若くして国際的なプロジェクトにも関与する機会を得ました。

福田淳の経歴

福田淳さんは、映像制作の現場からキャリアをスタートしました。ソニーグループでの経営経験や起業を経て、現在はSTARTO ENTERTAINMENTの代表取締役CEOとして業界改革に取り組んでいます。

ここでは、福田さんの多彩な経歴を時系列で紹介します。


東北新社へ入社

大学卒業後、映像業界への憧れから東北新社に入社。CMのプロダクションマネージャーとして現場経験を積み、2年目には衛星放送部門に抜擢され、カンヌやハリウッドなど国際的な業務にも携わりました。


ソニーピクチャーズエンタテインメントへ転職

1998年、ソニーピクチャーズエンタテインメントに転職し、「アニマックス」「AXN」の立ち上げに携わります。2001年にはモバイル部門の代表を務め、2007年にソニーデジタルエンタテインメントサービスを設立。デジタル分野での事業を展開し、ソニーグループ内で重責を担いました。


スピーディを設立

2018年、南青山のカフェで株式会社スピーディを設立。コンサルティングを軸に、出版・アート・農業・リゾート開発・投資など多分野で事業を展開し、「ブランド価値の創造と発信」を掲げて活動しています。


のんとエージェント契約を締結

独立後に活動が制限されていた女優・のんさんのエージェントを務め、芸能活動の再開を支援しました。この契約を通じて、芸能界におけるマネジメントの在り方にも関わっています。

株式会社スピーディとのエージェント契約から間もなくして、のんさんは「2年先までスケジュールが埋まっている」と言われる状態を実現しています。

また、2025年には11年ぶりにTBS系日曜劇場で地上波ドラマに復帰することが報じられ、10年以上にわたる徹底締め出しから、完全復活を遂げました。


STARTO ENTERTAINMENTの代表就任

2023年10月、福田淳さんは旧ジャニーズ事務所の再編により発足したSTARTO ENTERTAINMENTの代表取締役CEOに就任しました。コンプライアンス強化や組織改革を進め、新体制の舵取り役を担っています。 

福田淳の多様な活動実績

STARTO ENTERTAINMENT代表である福田淳さんは、芸能・ビジネスの枠を超えて、教育・行政・社会貢献と幅広い分野で活躍しています。ここでは、その多彩な活動実績を紹介します。


教育・学術分野での取り組み

福田淳さんは、教育機関においても積極的に活動しています。現在は、2つの大学で客員教授として教鞭を執っています。

  • 金沢工業大学 コンテンツ&テクノロジー融合研究所 客員教授

テクノロジーとコンテンツの融合をテーマとした研究に取り組む研究所で、福田淳さんは業界での実績をもとに教育や研究活動に貢献しています。

  • 横浜美術大学 客員教授

芸術やデザインの専門教育を行う大学において、学生たちに実践的な視点を伝える役割を果たしています。

このように、教育現場でも次世代を育てる取り組みに力を注いでいます。


NPO・社会貢献活動への参加

福田淳さんは、社会貢献活動にも積極的に関わっており、複数のNPO団体で役職を務めています。

  • NPO法人アシャンテママ 代表理事

シングルマザーを支援する団体で、福田淳さんは代表として活動を主導しています。

  • NPO法人ファザーリング・ジャパン 監事

父親の子育て参加を促すNPOで、団体の運営を支える監事として活動しています。

こうした活動を通じて、家庭や子育てに関する社会課題にも関心を寄せている姿勢がうかがえます。


行政機関での委員活動

福田淳さんは、国の行政機関が主催する研究会や審議会などにも委員として参加してきました。コンテンツ政策やIT分野に関する議論の場で、民間の立場から意見を述べてきた実績があります。

  • 文化庁「コンテンツ評価・ビジネスモデルに関する調査研究会」委員(2005年度)
  • 経済産業省「情報大航海時代の情報利用を考える研究会・次世代知的情報アクセス分科会」委員(2006年)
  • 総務省「メディア・ソフト研究会」委員(2009年度)

政策とビジネスの両面に詳しい福田淳さんならではの視点が各方面で求められてきたといえます。


実業家としての顔と多方面での影響力

上記の教育・NPO・行政での活動は、福田淳さんが代表を務める株式会社スピーディやSTARTO ENTERTAINMENTといった企業経営と並行して行われています。

多忙な中でも、幅広い分野で社会に貢献しようとする姿勢がうかがえます。

福田淳さんは、エンタメ業界にとどまらず、教育・行政・地域活動など多方面で影響力を発揮してきました。今後も、活動の広がりに注目が集まりそうです。

福田淳の著書に関する評判口コミ

旧ジャニ事務所改革のエピソード

STARTO ENTERTAINMENTの発足は、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)が抱えていた構造的な問題を是正し、芸能界の信頼を取り戻すための大きな転換点となりました。

ここでは、その中心人物である福田淳さんの改革エピソードを紹介します。

  • 外部からの経営者・福田淳さんの就任

旧ジャニーズの同族経営を断ち切るため、外部出身の福田さんが社長に就任。芸能外の視点を活かした改革が注目を集めています。

  • コンプライアンス体制の強化

内部通報制度や監査室を設け、社員の権限を明確化。上場企業並みのガバナンスを目指しています。

  • タレントとの対話・研修制度の導入

契約タレント全員と面談し、LINEWORKSでの連携体制を整備。ジュニア向けに人権やSNS研修も開始しました。

  • 「ジュニア」育成環境の整備と選考基準の透明化

再開に向けて施設や防犯体制を強化。評価基準の明示により、透明な選考プロセスを導入しています。

  • 働き方改革と企業文化の変革

マネージャーにシフト制を導入し、月例ミーティングで社員との対話を重視。風通しの良い職場づくりを進めています。

  • 契約・権利管理の厳格化

契約書締結前の活動を制限し、誹謗中傷や違法転売への対応を強化。タレントの権利保護を徹底しています。

  • 放送局との関係改善と今後の課題

テレビ局との関係が改善しつつある一方で、資産移管や企業文化の定着など、継続的な課題も残されています。


元SMAPメンバーへの圧力に言及していた過去

2019年、公正取引委員会が元SMAPメンバーへの圧力について注意喚起を行った際、福田淳さんはこの問題にSNSで言及し、注目を集めた経緯があります。


当時、福田淳さんがエージェントを務める女優・のん(旧・能年玲奈)さんも、広告オファーはあるもののドラマ出演が叶わない状況にありました。福田淳さんは「テレビ局でドラマに出られないのは異常」「古い体質を変えるべきだ」と強く訴えました。


また、芸能界において公平な競争や透明性の必要性を主張し、メディアと芸能事務所の癒着関係にも警鐘を鳴らしています。福田淳さんの一貫した改革志向は、のちにSTARTO ENTERTAINMENTの社長に就任する背景にもつながっていると考えられます。

国内外の社会貢献活動にも注力

福田淳さんは40代を迎えてから社会貢献への意識を強め、国内外でさまざまな活動に取り組んでいます。中でも印象的なのは、ALS支援の「アイス・バケツ・チャレンジ」への貢献です。


日本での認知がほとんどなかった当時、福田淳さんは単独でこの運動を実施し、著名人を巻き込んだイベントを開催。その結果、日本国内での普及に大きく貢献しました。

さらに、アフリカ支援やNPO団体の役員活動など、国際的な社会課題にも積極的に関わっています。


一方で、地域社会への貢献にも力を入れています。たとえば、沖縄に設立したバナナ農園「スピーディーファーム」では、収穫されたバナナを、放課後等デイサービスを利用する子どもたちへ寄付し、福祉支援につなげました。

また、映画『かなさんどー』の制作や、農園のバナナをふるさと納税の返礼品として提供するなど、地域文化や経済の活性化にも寄与しています。

さいごに

STARTO ENTERTAINMENTの立ち上げは、旧ジャニーズ事務所が抱えていた問題を乗り越え、新たな芸能界の在り方を模索するための大きな一歩となりました。

社長に就任した福田淳さんは、外部の視点を生かしながら、組織のルールや働き方の見直し、タレントとの対話の強化、人権やSNSに関する研修など、時代に即した取り組みを進めています。


一方で、資金や人材の確保、旧事務所との関係整理など、乗り越えるべき課題もまだ多く残されています。

それでも、福田淳さんが以前から芸能界の古い体質に疑問を投げかけ、公平で開かれた環境づくりの重要性を訴えてきた姿勢は、今の改革にも一貫して現れています。

今後のSTARTO ENTERTAINMENTの歩みを支えるのは、社会全体の注視と理解、変化を求める声なのかもしれません。